2010/2/22

産業・貿易

中国製コート紙もダンピングか、EUが調査開始

この記事の要約

欧州委員会は18日、中国製の上質コート紙に対する反ダンピング(不当廉売)調査を開始したことを明らかにした。欧州の業界団体からの要請に応じたもので、15カ月以内に調査を終え、ダンピングの事実が確認されれば制裁措置発動を検討 […]

欧州委員会は18日、中国製の上質コート紙に対する反ダンピング(不当廉売)調査を開始したことを明らかにした。欧州の業界団体からの要請に応じたもので、15カ月以内に調査を終え、ダンピングの事実が確認されれば制裁措置発動を検討する。

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上質コート紙は本、雑誌のカラーページやカタログなどに使われる。欧州の上質紙メーカーが加盟する業界団体CEPIFINEは1月、欧州委に対して、中国が上質コート紙を不当な安値で欧州に輸出し、地元業者を圧迫しているとして苦情を申し立てていた。

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欧州委は18日付の官報で、「反ダンピング調査を開始するに足る十分な根拠がある」と指摘。「苦情者から提供された証拠を一見する限り、調査対象となる製品の輸入量、価格は域内業者の販売量とシェアに悪影響を与えている」としている。

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すでにEUは靴、鉄鋼製品、ろうそくなど多くの中国製品に反ダンピング措置を発動している。これに対して中国側が、革靴への反ダンピング措置を不当として2月初めに世界貿易機関(WTO)に提訴するなど通商摩擦が激しくなっており、今回の動きで対立がさらに深まる見通しだ。

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