2010/3/8

競争法

マイクロソフト、欧州市場でブラウザー選択画面の提供開始

この記事の要約

米マイクロソフトは1日、欧州市場で同社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」搭載パソコン向けに「ブラウザー選択画面」の提供を開始した。欧州委員会が昨年、OSとブラウザーのセット販売がEU競争法に違反するとの見解をまとめたの […]

米マイクロソフトは1日、欧州市場で同社の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」搭載パソコン向けに「ブラウザー選択画面」の提供を開始した。欧州委員会が昨年、OSとブラウザーのセット販売がEU競争法に違反するとの見解をまとめたのを受け、マイクロソフトが制裁を回避するため同措置を提案していた。欧州委はマイクロソフトが公約を実行したことを歓迎し、5月半ばまでに約1億人のユーザーが自由にウェブブラウザーを選択できるようになるとの見通しを示している。

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欧州委は昨年1月、マイクロソフトがOS市場における独占的地位を利用して自社ブラウザー「インターネット・エクスプローラー(IE)」をセットで提供し、ブラウザー市場で著しく競争を阻害しているとして、同社に異議告知書を送付した。マイクロソフトはこれに対し、他社製ソフトを含めた複数のブラウザーからユーザーが自由に選んでインストールできる仕組みを採用する改善策を提示。欧州委は同提案を受け入れ、12月に同社に対する競争法上の調査を打ち切った。

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ブラウザー選択画面は向こう5年間にわたり、IEがデフォルトのブラウザーに設定されているウィンドウズ搭載パソコンに表示される。欧州経済領域(EU27カ国とノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン)で販売される「ウィンドウズXP」「ウィンドウズ・ビスタ」「ウィンドウズ7」搭載パソコンが対象で、IEのほかにアップル「サファリ」、グーグル「クローム」、モジラ「ファイヤーフォックス」、オペラ社のブラウザー(オペラ)など合計12種類のブラウザーの中からユーザーが好きなソフトを選んでインストールできる仕組み。既存ユーザーについてはウィンドウズの自動更新時にブラウザー選択画面が表示される。また、メーカーはウィンドウズ搭載パソコンにIE以外のブラウザーをデフォルトとして設定することもできる。

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マイクロソフトは欧州委との合意に基づき、改善策の進捗状況を定期的に報告すると共に、ブラウザー市場の変化に応じて選択画面に表示する製品の入れ替えなどを行う。欧州委は2年後をめどにマイクロソフト側の対応について見直しを行い、必要に応じて追加措置を求める方針を示している。

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