2010/3/22

競争法

独が空港地上サービスで指令違反、欧州委が再警告

この記事の要約

欧州委員会は18日、ドイツ政府が国内主要14空港の地上サービスの業者選定で、公正な競争を定めた指令に違反しているとして、是正措置を求める警告書を送付したことを明らかにした。今回は2回目の警告で、ドイツ政府が2カ月以内に適 […]

欧州委員会は18日、ドイツ政府が国内主要14空港の地上サービスの業者選定で、公正な競争を定めた指令に違反しているとして、是正措置を求める警告書を送付したことを明らかにした。今回は2回目の警告で、ドイツ政府が2カ月以内に適切な対応をしない場合、欧州司法裁判所への提訴を検討することになる。

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地上サービスとは、発券や手荷物取扱業務など搭乗客に関連したサービスや機体のけん引や貨物の積み下ろし、機内清掃などのランプサービス、搭乗客の空港内移動のサービス、給油、機体メンテナンス、機内食の供給などがある。

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指令では空港の地上サービスの市場を段階的に開放するため、年間の利用客が200万人を超えるか貨物取扱量が5万トンを超える主要空港については、乗り入れる各航空会社が複数の業者の中から選べるよう選択肢を与えることを定めている。これにより競争を促進して航空会社、ひいては搭乗客にも利益となることを狙ったものだ。

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各国は、搭乗客の手荷物取扱い、ランプサービス、貨物取扱い、燃料取扱いの4つのサービスについては業者の数を制限できるものの、各航空会社に最低でも2社の選択肢を与える必要があり、このうち1社は空港運営会社やその空港の有力な航空会社からは完全に独立した業者でなければならない。各国はこの指令を順守して1999年1月1日までに国内法や管理規定を整備し、これを欧州委に通告することを義務付けられていた。

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欧州委は、ドイツでは主要空港の条件に当てはまる空港は14カ所あるものの、サービス業者の選定では空港側に法外な権限を与えているうえ利害関係者が抗議する権利を制限し、自社での取扱いを限定的にするなど指令に定められた義務を怠っているとして是正を求めている。

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