2010/4/19

競争法

BAとアメリカンの提携容認に異議、ヴァージン会長が欧州委を批判

この記事の要約

英ヴァージン・アトランティック航空の創始者でヴァージン・グループの会長であるリチャード・ブランソン氏が、スペインのイベリア航空との合併を決めた英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)と米アメリカン航空の業務提携計画を欧州委 […]

英ヴァージン・アトランティック航空の創始者でヴァージン・グループの会長であるリチャード・ブランソン氏が、スペインのイベリア航空との合併を決めた英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)と米アメリカン航空の業務提携計画を欧州委員会が承認する方向に傾いていることに反発している。同氏は11日付の英フィナンシャル・タイムズとのインタビューで、欧州委がヴァージンに不利な判断を下せば法的手段を検討する考えを明らかにした。

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BAはイベリア航空との合併を正式決定したばかりで、新会社の出資比率はBAが56%、イベリア航空が44%となる。米国では外資による米航空会社の出資が制限されていることもあり、BAは資本提携を回避してイベリア航空、アメリカン航空との3社による大西洋路線での業務提携を結んでいる。しかし欧州委はこれが競争を阻害するとして昨年9月に異議警告書を送り、3社は今年3月にロンドン~ニューヨーク路線の離発着権の一部を手放すなど是正策を提案していた。

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欧州委は是正策で競争上の問題が払しょくされると判断すれば、その実行を条件に調査を打ち切ることにしている。しかしブランソン氏は、「3社はあらゆる点で単独企業としてふるまっている」として、欧州委は業務提携ではなく合併と見なして調査を進めるべきだと主張している。これに対して欧州委のスポークスマンは、「大西洋路線の提携は提携であって合併ではなく、合併を対象とした法規に照らして調査をするのは適切ではない」と説明している。

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