2010/4/19

競争法

ギリシャ政府を欧州司法裁に提訴、造船所への不当支援問題で

この記事の要約

欧州委員会は14日、ギリシャ政府の旧国営ギリシャ造船所(HSY)に対する支援がEUの公的支援ルールに違反するとして補助金回収を命じていた問題で、ギリシャ政府を欧州司法裁判所に提訴することを決めたと発表した。ギリシャ政府が […]

欧州委員会は14日、ギリシャ政府の旧国営ギリシャ造船所(HSY)に対する支援がEUの公的支援ルールに違反するとして補助金回収を命じていた問題で、ギリシャ政府を欧州司法裁判所に提訴することを決めたと発表した。ギリシャ政府が回収を怠っているため。

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欧州委は2008年7月、ギリシャ政府がHSYに対して1997~2002年に実施した支援をEUのルール違反と断定した。欧州委が事前に認めていたリストラと造船所閉鎖への支援条件を守っていないうえ、ギリシャ政府や当時の国営銀行ETVAがHSYに提供した融資や保証は市場よりも有利な条件、またはHSYの財務状況から一般銀行から融資を受けることが難しい時期に行われていたことが理由となった。

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ただHSYは公的支援ルールの適用除外を受けている軍事向け製品も扱っているため、欧州委は民生品に対する支援だけを対象に利子も含めて約2億3,000万ユーロを回収するようギリシャ政府に命じた。それ以来、欧州委は決定に従うようギリシャ当局と協議を進めてきたが、こうした努力もこれまでのところ失敗に終わっていることから欧州司法裁への提訴に踏み切った。

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