2010/4/26

環境・通信・その他

EU共通の捜査・訴追機関の創設提案へ、国境を超える脱税に対応

この記事の要約

欧州委員会は20日、EU域内の国境を越える取引での脱税など市場統合に便乗した経済犯罪を捜査・訴追する独自の組織を設けることを提案する方針を示した。1999年に設立した「ユーロジャスト」に捜査権限を付与するとともに欧州検察 […]

欧州委員会は20日、EU域内の国境を越える取引での脱税など市場統合に便乗した経済犯罪を捜査・訴追する独自の組織を設けることを提案する方針を示した。1999年に設立した「ユーロジャスト」に捜査権限を付与するとともに欧州検察局の創設を目指す。

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この計画は、昨年12月のEU首脳会議で採択した公民権や司法、治安、亡命、移民に関する2014年までの政策の枠組み「ストックホルム・プログラム」に基づいて欧州委が示す具体案のひとつ。ユーロジャストは各国の検察局や治安判事当局、警察当局の協力組織だが、これをEU共通の捜査手続きの組織にするため、欧州委は2012年に具体的な提案を行う。これが経済犯罪を捜査・訴追する欧州検察局の設立につながる可能性もあるという。

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国際的な汚職・腐敗防止のための非政府組織トランスペアレンシー・インターナショナルは、この動きを歓迎するとともに新たな訴追権について国境を越えたあらゆる重大犯罪に拡大するよう求めている。一方で、欧州市民の自由ネットワーク(ECLN)は「こうした政策は市民の自由に対する攻撃となるもので、EU内の権威主義的傾向を明確に示すもの」として、開かれた議論もないままユーロジャストを検察局に衣替えさせることに対して懸念を表明している。

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