2010/5/10

総合 –EUウオッチャー

ECBがギリシャ国債の信用基準凍結、格下げでも担保として受け入れ

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は3日、ユーロ圏の金融機関がECBから資金供給を受ける際に差し出す担保について、ギリシャ国債が担保である場合は信用基準の適用を一時凍結し、格付けに関係なく担保として受け入れることを決めたと発表した。 […]

欧州中央銀行(ECB)は3日、ユーロ圏の金融機関がECBから資金供給を受ける際に差し出す担保について、ギリシャ国債が担保である場合は信用基準の適用を一時凍結し、格付けに関係なく担保として受け入れることを決めたと発表した。ギリシャ国債がさらに格下げされても、金融機関の資金調達に悪影響を及ぼさないような仕組みを整えることで、ギリシャ危機に伴う金融市場の不安拡大防止を図る。

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ECBは公開市場操作で資金を供給する際、金融機関が差し出す担保の最低格付けを通常、「Aマイナス」と定めている。しかし、リーマンショックで金融危機が広がった2008年10月、この基準を緩和し、最低格付けを「BBBマイナス」に引き下げた。同措置は2010年末で撤廃の予定だったが、ギリシャ危機に応じて、2011年以降も継続することを4月初めに決めていた。

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今回の措置は、ギリシャ長期国債の格付けが4月27日、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によって投機的水準の「BBプラス」まで引き下げられ、担保として必要な最低信用基準の「BBBマイナス」を1段階下回ったことを受けたもの。ギリシャ国債に関しては担保の最低基準を当面凍結し、金融機関が格付けに関係なくECBから資金を調達できるようにする。

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同措置はギリシャ政府が発行、または保証する新発、既発債が対象。ECBは「追って通知するまで」適用するとしており、ギリシャ危機が沈静化するまで無期限で担保基準を凍結する。

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