2010/5/25

産業・貿易

中米6カ国とFTA締結で合意、メルコスルとは交渉再開

この記事の要約

欧州委員会は18日、パナマ、グアテマラ、コスタリカ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアの中米6カ国と自由貿易協定(FTA)を含む連合協定で合意したと発表した。工業製品については双方が全面的に市場を開放するとともに農 […]

欧州委員会は18日、パナマ、グアテマラ、コスタリカ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアの中米6カ国と自由貿易協定(FTA)を含む連合協定で合意したと発表した。工業製品については双方が全面的に市場を開放するとともに農産物でも互いに輸入を拡大する。

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交渉は2007年に始まり、昨年にホンジュラスでクーデターが起きたことで一時中断されていたものの今年初めに再開していた。協定では欧州からの自動車輸出については向こう10年間にわたり中米各国で自由化される。農産物ではEUからのチーズや粉ミルクに輸入枠が設けられ、EUは中米からの骨なし牛肉に7,000トン、コメに2万トンの輸入枠を設定しこれを毎年5%ずつ拡大する。また中米からのバナナに対する輸入関税も向こう10年間にわたり引き下げることになった。中米6カ国にとってEUは米国に次ぐ貿易相手で、双方の2009年の貿易総額は100億ユーロ近くに上る。

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一方、欧州委は17日にブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイの4カ国で構成する南米南部共同市場(メルコスル)とFTA締結に向けた交渉を再開することで合意した。再開後の最初の交渉は7月初めに行われる予定だ。

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交渉再開に対してはフランスをはじめ10カ国が「EU農業の利益が危機にさらされる」として反対を表明し、EU農業団体連合会(COPA-COGECA)も強く反発している。しかし欧州委のバローゾ委員長は「特定分野の懸念は必ず配慮される」として、FTAの締結には大きな機会があると強調している。

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