2010/5/25

環境・通信・その他

09年の温室効果ガス排出量11%減、景気後退による生産縮小を反映

この記事の要約

欧州委員会は18日、EU排出量取引制度(EU ETS)に参加する企業の2009年の温室効果ガス排出量は二酸化炭素換算(CO2)換算で18億7,300万トンとなり、前年比で11.6%減少したと発表した。景気後退による生産活 […]

欧州委員会は18日、EU排出量取引制度(EU ETS)に参加する企業の2009年の温室効果ガス排出量は二酸化炭素換算(CO2)換算で18億7,300万トンとなり、前年比で11.6%減少したと発表した。景気後退による生産活動の停滞が排出量の大幅な減少につながった。09年の総排出枠は19億6,700万トンに設定されていた。

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今回の統計は5月1日までに加盟国から欧州委に提出された検証済みデータを基に、排出量取引の対象となっている1万2,622カ所の事業所からの温室効果ガス排出量を集計したもの。ただし、キプロスとリヒテンシュタインについては参加企業の一部が排出量の報告義務を怠ったため、不完全なデータとなっている。

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EU ETSの参加企業は京都議定書に基づく京都メカニズムを通じて取得したクレジットを排出枠として活用することが認められており、共同実施(JI)とクリーン開発メカニズム(CDM)で発行されるクレジット(ERUおよびCER)が総排出枠に占める割合はそれぞれ0.17%、4.1%となっている。なお、CERの調達先は中国が全体の52%を占め、インド(21%)、韓国(14%)、9%(ブラジル)と続いている。

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欧州委は09年の排出実績が前年を大幅に下回った要因について、経済危機の影響による生産縮小に加え、年間を通じて天然ガスの価格が低水準で推移したことで、特にCO2排出量が多い石炭の代わりに天然ガスを利用する発電所が多かったためと分析している。

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