2010/5/31

総合 –EUウオッチャー

スペインの財政緊縮法案、1票差で可決

この記事の要約

スペイン下院は27日、政府が財政危機を回避する目的でまとめた財政緊縮法案を1票差で可決した。これにより政府は2年間で総額150億ユーロの歳出削減を行い、膨れ上がっている財政赤字の圧縮を図る。\ 2009年の財政赤字が国内 […]

スペイン下院は27日、政府が財政危機を回避する目的でまとめた財政緊縮法案を1票差で可決した。これにより政府は2年間で総額150億ユーロの歳出削減を行い、膨れ上がっている財政赤字の圧縮を図る。

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2009年の財政赤字が国内総生産(GDP)比11.2%と、EUの財政規律で上限となっている同3%を大きく超過したスペインは、ギリシャのような深刻な信用不安に陥るのを避けるため、1月に総額500億ユーロの歳出削減策をまとめた。しかし、市場の信用回復にはつながらず、国債の利回りが上昇を続けたことから12日に総額150億ユーロ規模の追加財政再建策を発表。公務員給与の5%カットを含む厳しい緊縮政策を打ち出していた。

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サパテロ首相率いる社会労働者党は少数与党のため、法案可決には野党の協力が不可欠だった。採決では最大野党の国民党などが反対に回ったが、地方政党カタルーニャ同盟(CIU)の10議員が法案そのものは批判しながらも、国家がギリシャのような財政危機に陥るのは望まないとして反対ではなく棄権に回り、賛成169、反対168の1票差で法案が採択された。

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