2010/5/31

環境・通信・その他

国際離婚の手続きめぐる法案、独など3カ国も先行実施

この記事の要約

欧州委員会は28日、EU内の国際離婚の法的手続きを円滑に進めるための法案について、新たにドイツ、ベルギー、ラトビアが採用を申請したことを明らかにした。これにより、すでに法案に賛同していたフランス、イタリア、スペイン、オー […]

欧州委員会は28日、EU内の国際離婚の法的手続きを円滑に進めるための法案について、新たにドイツ、ベルギー、ラトビアが採用を申請したことを明らかにした。これにより、すでに法案に賛同していたフランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ルクセンブルク、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、スロベニアを加えた12カ国が、EUの特別ルールに基づき、同法案を先行実施することになる。

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法案で対象となるのは、EUの異なる国籍を持つ夫婦の離婚で、2人がEU内の異なる国に別居しているか、2人の本国以外の別の国で一緒に暮らしているケース。どの国の法律を適用して手続きを進めるかについて、夫婦が合意の上で選べるようにする。

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EUでは現在こうした国際離婚ついて、どの国の法律を適用するかに関して共通ルールがなく、混乱が生じている。例えば、英国に住むアイルランド人の夫とフィンランド人の妻が離婚する場合、アイルランドで離婚を申請すれば、4年の別居期間を設けた上で初めて離婚が認められる一方、フィンランドでは6カ月で離婚が成立する。英国で申請すると、財産分与などについて妻の側が有利となる。このため、配偶者の一方が相手を出し抜き、自分に有利な国でいち早く申請するといったケースも相次いでいる。

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こうした問題を解消するため、欧州委は2006年に法案を発表したが、これを強く支持する国がある一方で、反対する国が多く調整が難航していた。このため、意見が分かれた場合でも、加盟国のうち9カ国以上が賛同すれば、それらの国だけで先行して法案を実施することを認めるとするEU基本条約の条項を活用することにした。同条項の適用は1997年に導入されてから初めて。EUは6月4日に開く法相理事会で、12カ国による先行実施を認めるかどうか協議する。

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当初はギリシャも法案採用を打ち出していたが、欧州委によると現在は取り下げたという。

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