2010/5/31

環境・通信・その他

域内ではなお29%が喫煙、欧州委はたばこ規制強化へ

この記事の要約

欧州委員会が27日に公表した世論調査「ユーロバロメーター」の最新結果で、欧州内では依然として29%が喫煙の習慣があることが明らかになった。2006年調査の32%と比べて減少したものの、なお比較的高い水準となっている。欧州 […]

欧州委員会が27日に公表した世論調査「ユーロバロメーター」の最新結果で、欧州内では依然として29%が喫煙の習慣があることが明らかになった。2006年調査の32%と比べて減少したものの、なお比較的高い水準となっている。欧州委員会はたばこ規制強化に向けて2001年に導入された指令の見直しを進めており、2011年半ばにも改正案を提示する計画だ。

\

今回の調査は欧州内の3万人以上を対象に昨年10月に実施したもの。国別で喫煙者が多かったのはギリシャとキプロスで、それぞれ40%を超えた。このほかブルガリア(39%)、ハンガリー(38%)、トルコ・マケドニア(ともに37%)が多かった。

\

喫煙者のうち28%は過去1年間に禁煙を試みていた。また禁煙した人の理由として最も多かったのは健康で、これに周囲の圧力、たばこの価格が続き、非喫煙者への健康危害は4位にとどまっている。

\

一方、たばこ規制強化を求める声は強く、75%が包装紙に恐怖心をあおる写真を印刷することを支持しており、たばこが店頭で目に付かないようにすべきという意見や自動販売機設置を禁止すべきという意見もそれぞれ55%と52%に上った。

\

EU内で公共の場の喫煙を全面的に禁止しているのは英国、アイルランド、キプロスの3カ国で、ほかにフランスやイタリア、オランダなど9カ国が喫煙ゾーンでの喫煙を認めているが、ドイツやベルギーなど残りの各国では規制が緩やかとなっている。域内で喫煙を起因とする死亡者は年間65万人に上っており、欧州委のジョン・ダッリ委員(保健・消費者政策担当)は、禁煙措置を各国に求めることはできないものの既存の指令を改正することでたばこ製品の魅力を減退させる考えを示している。

\