2010/7/12

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が金利据え置き、14カ月連続で様子見

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は8日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、ユーロ圏16カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.0%に据え置くことを決めた。金利据え置きは14カ月連続。ユーロ圏の景気は輸出拡大で上向いている […]

欧州中央銀行(ECB)は8日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、ユーロ圏16カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.0%に据え置くことを決めた。金利据え置きは14カ月連続。ユーロ圏の景気は輸出拡大で上向いているが、なおギリシャに端を発した信用不安がくすぶる中、超低金利政策を継続して様子を見守る。

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ECBの金利据え置きは予想通り。理事会後の記者会見では、現在の金融環境などに関するトリシェ総裁の発言に注目が集まった。トリシェ総裁は景気動向について「外部では過剰に悲観的にみる傾向があるが、データはこの悲観を裏付けていない」と述べ、信用不安の拡大を懸念する市場の不安払しょくに努めた。

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また総裁は、EUが域内の91銀行に対するストレステスト(健全性審査)の結果を23日に公表することについて、透明性強化の観点で歓迎の意を表明。仮に金融市場の不安を増殖するような結果が出た場合には、ECBが「必要に応じて適切な措置を講じる」と語ったが、詳細は伏せた。

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このほかトリシェ総裁は、ECBが5月に開始したユーロ圏諸国の国債の買い取りに関して、前週の買い取り額が40億ユーロと、第1週の165億ユーロを大きく下回り、需要が急減していることから、近く終了することを示唆した。

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