2010/7/12

環境・通信・その他

09年の新設発電容量、62%が再生可能エネルギー

この記事の要約

欧州委員会が5日に発表した報告書によると、2009年に新設された発電施設の発電容量のうち、再生可能エネルギーを発電源とする割合は62%となり、08年から5%増加した。また、09年の新設発電容量は27.5ギガワット(GW) […]

欧州委員会が5日に発表した報告書によると、2009年に新設された発電施設の発電容量のうち、再生可能エネルギーを発電源とする割合は62%となり、08年から5%増加した。また、09年の新設発電容量は27.5ギガワット(GW)で、風力発電の容量が約37%(10.2GW)を占めた。新設容量において、風力がシェアのトップとなるのは2年連続。

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新規発電容量の発電源となった風力以外の再生可能エネルギーは、◇太陽光(ソーラー)(21%)、◇バイオマス(2.1%)、◇水力(1.4%)、◇集光型太陽熱(0.4%)。枯渇性エネルギーの利用割合は、次のとおりだった。◇ガス火力(24%)、◇石炭火力(8.7%)、◇石油火力(2.1%)、◇ごみ固形燃料(1.6%)、◇原子力(1.6%)。新規施設の一部は当面、24時間稼働に至らないことから、年間発電量に占める各エネルギー源の割合は上記容量のとおりにはならず、実際の発電量はガス火力が28テラワット時(TWh)で最多、風力の20TWh、集光型太陽熱の5.6TWhが後に続く見通しだ。

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一方、域内における09年の電力総消費量は3,042TWhで、このうち再生可能エネルギーによって生産された電力は608 TWhとなり、全体の約20%(水力11.6%、風力4.2%、バイオマス3.5%、太陽光0.4%)を占めた。

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利用の拡大が現在のペースで進めば、再生可能エネルギーによる発電量は2020年に年間1,400TWh(域内消費量の約37.5%に相当)に達し、一次エネルギーにおける再生可能エネルギーの利用割合を20%に引き上げるとしたEUの目標達成に大きく貢献すると期待される。ただし、報告書は、送電網への公平なアクセスを保証すること、研究開発に対する民間部門の支援を拡大すること、既存送電システムの再生可能エネルギー源への適用化を推進することが今後の重要課題と指摘した。なお、この報告書は2007年以降、EUの目標達成に向けての進捗状況を明らかにするため、JRCが毎年作成・公表している。

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