2010/7/26

産業・貿易

来年のR&D支援は64億ユーロ、過去最大規模、競争力強化を狙う

この記事の要約

欧州委員会は19日、研究・開発(R&D)やイノベーション振興に向け2011年は約64億ユーロを投じると発表した。これは2007~2013年に実施される総予算505億ユーロ以上の研究開発支援を行う「第7次研究枠組 […]

欧州委員会は19日、研究・開発(R&D)やイノベーション振興に向け2011年は約64億ユーロを投じると発表した。これは2007~2013年に実施される総予算505億ユーロ以上の研究開発支援を行う「第7次研究枠組み計画(FP7)」の一環で、2011年の予算は2010年より12%、2009年より30%増えて単年度では過去最大規模となる。

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プログラムは気候変動やエネルギー、食品の安全、医療、高齢化といった問題の解決を支援することで欧州の競争力を強化するとともに、経済を刺激する狙い。支援するプロジェクトは公募によって選出する。研究機関や大学、産業界などから1万6,000機関が参加する見通しで、16万5,000人以上の雇用創出が見込めるとしている。

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予算の5分の1(12億ユーロ)は情報通信技術(ICT)向けで、うち約6億ユーロが次世代ネットワークやサービスインフラ、ロボットシステム、電子・通信部品、デジタルコンテンツ技術などに充てられる。低炭素経済や高齢化社会、持続可能な生産施設の実現に向けたICT技術開発には4億ユーロを投じる。

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肥満や心臓疾患などの新たな治療法の開発といった医療・健康分野には6億8,200万ユーロを、エネルギー効率化や再生可能エネルギー発電、地球温暖化対策など気候変動関連の研究に4億ユーロ以上を支援となる。なお中小企業向けに8億ユーロ近くを確保することになっている。

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