2010/7/26

産業・貿易

昨年の模造品押収は景気低迷で減少、中国製が全体の64%占める

この記事の要約

欧州委員会は22日、EU各国の通関当局が2009年に押収した模造品や海賊版が1億1,800万点となり、前年の1億7,800万点から大幅に減少したと発表した。摘発件数も4万3,500件で前年の約4万9,000件から減ってい […]

欧州委員会は22日、EU各国の通関当局が2009年に押収した模造品や海賊版が1億1,800万点となり、前年の1億7,800万点から大幅に減少したと発表した。摘発件数も4万3,500件で前年の約4万9,000件から減っている。欧州委は、景気低迷により輸入全体が大きく落ち込んだためとみている。

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これは毎年公表している知的財産権関連の通関当局の取り締まりに関する報告書によるもので、押収点数ではタバコが19%に上ったほかタバコ関連製品が16%、ブランド品が13%で、医薬品も10%を占めている。以前は高級品の割合が多かったが、最近では日常品が増えているのが特徴だ。

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押収品全体の64%は中国製品で前年の54%から上昇しているが、医薬品ではアラブ首長国連邦(UAE)が75%を占め、電化製品や玩具、ゲームではエジプト、食品・飲料ではトルコがそれぞれ最も多かった。インターネット販売の拡大を背景に仲介業を使わずに個人向けの直接販売が増えており、押収品のうち約4分の3は郵便小包や航空便だった。

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EUは昨年、中国政府と知的財産権に関する税関での取り締まり強化の協力について行動計画を締結しているが、今年9月に訪中する欧州委のシェメタ委員(税制・関税同盟、監査・不正防止担当)は改めて中国政府と知的財産権での協力を協議する。また欧州委は、知的財産権に対する通関当局の活動について現行法を改善する方向で作業を進めており、年内には提案を発表する方針だ。

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