2010/8/9

総合 –EUウオッチャー

欧州経済は「正常化へ」=ユーログループ議長

この記事の要約

ユーロ圏16カ国財務相会合(ユーログループ)の議長を務めるルクセンブルクのユンケル首相兼財務相は3日の記者会見で、欧州経済は「正常な状態に戻りつつある」との認識を示した。ギリシャの財政危機に端を発した信用不安の拡大に歯止 […]

ユーロ圏16カ国財務相会合(ユーログループ)の議長を務めるルクセンブルクのユンケル首相兼財務相は3日の記者会見で、欧州経済は「正常な状態に戻りつつある」との認識を示した。ギリシャの財政危機に端を発した信用不安の拡大に歯止めがかかったことや、EUの銀行を対象とした健全性審査(ストレステスト)の結果が良好だったことを受けたもので、「景気回復には多くのリスクがはらんでいるものの、各地で回復が定着している」と述べた。

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ユーロ圏経済は1-3月期の域内総生産(GDP)が0.2%増となり、小幅ながらも成長し、3期連続でプラス成長となった。また、大きな懸念材料だったギリシャの信用不安も、ユーロ圏諸国とIMFの緊急融資が実行されて落ち着きを取り戻しつつある。さらに7月下旬に結果が発表されたストレステストでは、対象となった域内91行のうち「不合格」とされたのはスペインの貯蓄銀行など7行にとどまり、主要銀行はパスした。

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ユンケル首相は「銀行のストレステストは決定的で説得力のあるもので、我々はユーロ圏を含む欧州での景気回復を目のあたりにしている」とコメント。ギリシャについては、政府が財政再建策を進めていることを評価し、ユーロ圏諸国とIMFによる第2弾の融資が9月に実行されるとの見通しを示した。

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