2010/9/27

環境・通信・その他

新型インフルワクチンと睡眠発作の因果関係、EMAが調査継続へ

この記事の要約

欧州医薬品庁(EMA)は23日、英グラクソ・スミスクライン(GSK)の新型インフルエンザ(H1N1)ワクチン「パンデムリクス(Pandemrix)」に関連して、これまでの調査では同ワクチンとナルコレプシー(睡眠発作)の因 […]

欧州医薬品庁(EMA)は23日、英グラクソ・スミスクライン(GSK)の新型インフルエンザ(H1N1)ワクチン「パンデムリクス(Pandemrix)」に関連して、これまでの調査では同ワクチンとナルコレプシー(睡眠発作)の因果関係を示す証拠は見つからなかったことを明らかにした。EMAはさらに3-6カ月をかけて両者の関係性について詳しく検証する方針を示している。

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パンデムリクスは昨年9月にEU内での販売が認可され、これまでに域内で少なくとも3,080万人が接種を受けている。今年に入り、スウェーデンとフィンランドを中心にパンデムリクスを接種した若年世代がナルコレプシーを発症するケースが相次いで報告されており、同ワクチンの副作用である可能性が指摘されている。このため欧州委は先月、EMAにパンデムリクスとナルコレプシーの因果関係について調査するよう要請していた。

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EMAは声明で「医薬品委員会(CHMP)が副作用の可能性が疑われるあらゆるケースについて分析を行ったが、パンデムリクスとナルコレプシーの間に因果関係があるかどうかを判断するためのデータが現時点では不十分なため、さらなる検証が必要と判断した」と説明している。

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ナルコレプシーは場所や状況などに関係なく、日中に起きる強い眠気の発作を主な症状とする脳疾患の一種で、15歳前後に発症するケースが多い。GSKによると、パンデムリクスの接種後にナルコレプシーを発症したケースは9月17日時点で80件報告されており、その大半がスウェーデンとフィンランドに集中している。

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