2010/10/18

環境・通信・その他

EU15カ国の排出量は90年比で6.9%減、京都議定書の公約達成濃厚に

この記事の要約

欧州委員会が12日公表した年次報告書によると、京都議定書で温室効果ガスの削減が義務付けられている従来からのEU加盟15カ国では、2008年の総排出量が1990年比で6.9%減となり、27カ国ベースでは14.3%減を記録し […]

欧州委員会が12日公表した年次報告書によると、京都議定書で温室効果ガスの削減が義務付けられている従来からのEU加盟15カ国では、2008年の総排出量が1990年比で6.9%減となり、27カ国ベースでは14.3%減を記録した。15カ国は08-12年に90年比で8%の削減を求められているが、欧州委はほぼすべての国で削減目標が達成されるとの見通しを示し、15カ国全体では12年までに14.2%の削減が可能と予測している。

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一方、欧州環境庁(EEA)は同日、09年の温室効果ガス排出量が15カ国ベースでは90年比12.9%減、27カ国ベースでは17.3%減になるとの予測を明らかにした。深刻な経済危機を受け、域内全体で生産活動が停滞したことが大幅な排出削減につながった。EEAは現在のペースを維持できれば、域内における温室効果ガス排出量を20年までに90年比で20%削減するというEUの中期削減目標の達成は可能との見方を示している。

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欧州委は今後の見通しについて、15カ国では現在実施している政策だけで12年までに90年比で10.4%の排出削減が可能と指摘。そのうえで、15カ国のうち10カ国は京都メカニズムに基づく排出権の購入を計画しており、同措置による削減効果が2.7%に上ると予測している。さらに植林事業などで1%程度の上乗せが期待できるとし、最終的に議定書の目標を大幅に上回る削減が可能と結論づけている。

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一方、04年と07年にEU加盟国となった12カ国のうち、キプロスとマルタを除く10カ国は、議定書に沿って08-12年に90年比で6-8%の削減目標を掲げている。欧州委はこれら10カ国すべてが12年までに目標を達成できるとの見通しを示している。

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