2010/10/18

環境・通信・その他

ネットのコスト・セキュリティに懸念、欧州委の世論調査で明らかに

この記事の要約

欧州委員会が13日に公表した世論調査「ユーロバロメーター」の最新結果で、欧州の一般世帯ではインターネットの利用やデジタルテレビの視聴が拡大しデジタル化が進んでいるものの、利用料金やサービスの質、セキュリティなどで依然とし […]

欧州委員会が13日に公表した世論調査「ユーロバロメーター」の最新結果で、欧州の一般世帯ではインターネットの利用やデジタルテレビの視聴が拡大しデジタル化が進んでいるものの、利用料金やサービスの質、セキュリティなどで依然として懸念を抱いていることが浮かび上がった。欧州委はすでに今年5月、報告書「欧州にとってのデジタルの課題」を発表し、EU内の全世帯がブロードバンドに接続するという目標を掲げるとともに、競争や信頼性、セキュリティを向上する措置を示している。

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今回の調査は域内の約2万7,000世帯にネットや電話、テレビの利用について尋ねたもの。これによれば、ネットの利用は増えているものの、依然として43%が家庭でネットに接続していなかった。このうち約20%の世帯はコストが高いことを理由に挙げている。欧州委の報告書で重要な目的としている競争の促進により料金が下がれば、普及も拡大することが見込まれる。

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また、回答者の38%はブロードバンドやデジタルテレビなど複数のサービスがセットになったパッケージを契約しており、地上波デジタルを視聴している世帯は25%近くに上る。ただし携帯電話利用者の61%、固定回線利用者の49%がコストを心配して接続や通話を抑えていることがわかった。

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ブロードバンドの接続の問題としては30%がダウンロードの速度が一定でないことを挙げ、36%は接続が切断した経験を持ち、24%は実際の性能が契約条件を下回ると答えている。ちなみに欧州委の報告書では、2020年までに欧州の全世帯が30Mbps(メガビット毎秒)のブロードバンドに接続し、50%以上が100Mbpsを超える速度の接続を契約するという目標を明示している。

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一方、回答者のうち45%は個人情報がソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)で悪用されることを心配していた。また21%は一部のオンライン・コンテンツやアプリケーションへのアクセスがプロバイダーから遮断されたと考えており、これは携帯電話を使ったネット接続利用者でも同様な割合だった。ただし、このうち3分の1は自分の回線や契約時の容量に限界があると考えていた。なおSNSの利用の割合は全体の3分の1以上、ネット電話の利用は22%に上っている。

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