2010/11/1

産業・貿易

欧州議会と加盟国がファンド規制案承認、年内にも成立へ

この記事の要約

EU加盟国、欧州議会、欧州委員会の3者は10月26日にブリュッセルで会合を開き、ヘッジファンドや未公開株式を投資対象とするプライベート・エクイティ・ファンド対する規制案を承認した。EU域外に籍を置くファンドの扱いをめぐり […]

EU加盟国、欧州議会、欧州委員会の3者は10月26日にブリュッセルで会合を開き、ヘッジファンドや未公開株式を投資対象とするプライベート・エクイティ・ファンド対する規制案を承認した。EU域外に籍を置くファンドの扱いをめぐり、英仏が対立して調整が難航していたが、約2年に及ぶ議論にようやく決着がついた。欧州議会本会議とEU閣僚理事会の正式な承認を経て、年内にも法案が成立する見通しだ。

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新規制はEU加盟国のうち1カ国で認可を取得すれば、域内全域で活動することができる「パスポート制度」を導入し、EUの定める要件を満たすことを条件に、域外に籍を置くファンドにも同制度を適用することが柱。また、ヘッジファンドなどに投資方針や運用手法、リスク管理システムなどの情報開示を義務付けるほか、自己資本規制を導入し、資産規模に応じて資本金の積み増しを義務付けることや、当局に投機性の高いファンドの運用を制限できる権限を与えることなども盛り込んでいる。

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フランスは投資家保護の観点から域外ファンドへのパスポート付与に強く反対していたが、先の財務相理事会で、来年1月に新設される欧州証券監督機構(ESMA)に域外のファンドがEU基準を満たしているかどうか判断する権限を与えるとの仏側の主張が認められ、域外ファンドにもパスポート制度を適用することで合意が成立した。パスポート制度の導入時期は域内ファンドが2013年、域外ファンドは15年になる見通し。移行期間として18年までは各国当局が国ごとに認可を与える現行システムが併用される。

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