2010/11/8

総合 –EUウオッチャー

欧州全域で初のサイバーテロ演習、ネット網マヒ想定し対応確認

この記事の要約

EUで4日、ハッカーの攻撃で域内のインターネット網がマヒに陥るという想定に基づいて欧州規模の初の演習が実施された。サイバーテロに対する各国の対応方法を確認し、欧州規模に広がった場合の緊急連絡方法や協力態勢などを確かめて域 […]

EUで4日、ハッカーの攻撃で域内のインターネット網がマヒに陥るという想定に基づいて欧州規模の初の演習が実施された。サイバーテロに対する各国の対応方法を確認し、欧州規模に広がった場合の緊急連絡方法や協力態勢などを確かめて域内の備えを強化するのが狙い。今後も欧州から世界レベルに混乱が生じるという複雑な想定で演習を実施する予定だ。

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この「サイバー・ヨーロッパ2010」の演習には域内27カ国のほかアイスランド、ノルウェー、スイスのネットセキュリティ専門機関が参加し、欧州ネットワーク情報セキュリティ庁(ENISA)や欧州委員会の共同研究センターも協力した。

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設定したシナリオは、1つの国で始まったネット接続への遮断が次々と各国に波及して各国間のネット接続も使用不能となり、打撃を受けていない接続網を使う以外にはオンラインサービスが機能せず、政府機関や民間企業、一般市民の活動が混乱に陥るというもの。演習ではサイバーテロがどのように広がるかを確認し、各国の接続ポイントの妥当性や連絡態勢、連絡網で交換するデータの内容をチェックし、各国の役割分担などを確かめた。

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なお、欧州委員会は9月にハッカーや悪意あるソフトの製作者に科す刑罰を重くする新たな規制を提案している。またサイバーテロに対するセキュリティの問題は、今月20日からリスボンで開かれる北大西洋条約機構(NATO)加盟国の首脳会議の重要議題となっている。

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