2010/11/8

産業・貿易

EUとマレーシア、12年のFTA締結目指す

この記事の要約

EUはマレーシアとの自由貿易協定(FTA)を2012年までに締結する方針だ。在マレーシアEU代表部のビンセント・ピケット大使が2日明らかにした。第1回目の交渉は12月6~9日にブリュッセルで開かれる予定で、同時期にマレー […]

EUはマレーシアとの自由貿易協定(FTA)を2012年までに締結する方針だ。在マレーシアEU代表部のビンセント・ピケット大使が2日明らかにした。第1回目の交渉は12月6~9日にブリュッセルで開かれる予定で、同時期にマレーシアのクアラルンプール近郊のプトラジャヤではパートナーシップ協力協定(PCA)の締結に向けて協議するという。

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欧州委員会のバローゾ委員長は10月初め、アジア欧州会合(ASEM)でブリュッセルを訪れていたマレーシアのナジブ首相と会談し、両者のFTA、PCA締結に向けた交渉開始を発表していた。ピケット大使によれば、FTAでは製品分野についてはほぼ100%の関税を撤廃し、サービス分野の貿易も世界貿易機関(WTO)での取り決めを上回る開放を目指す。また法的に保証された枠組みを設けることで相互の投資も拡大させるという。

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マレーシアにとってEUは4番目の貿易相手で、双方の貿易総額は2009年に230億ユーロに達している。2005~2009年の間にEU側からの輸出は年平均1.2%拡大しているものの、同期間に一貫してマレーシア側の輸出超過となっており超過額は約50億ユーロに上る。

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なおPCAの締結は、EUとマレーシアの相互利益となる分野でEUの関与を拡大する好機となるという。こうした分野には税制・関税、知的財産権、テロや国際犯罪の取り締まり、汚職、望ましい統治、人権、移民、人身売買、核不拡散および災害リスク管理などがある。また協定の締結により環境や環境技術、気候変動での両者の政策対話も強化され、国際問題や双方の問題で意見交換や協力強化の基盤ができると期待されている。

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