2010/11/29

総合 –EUウオッチャー

EU・IMFのギリシャ向け融資、第3弾90億ユーロの実行確実に

この記事の要約

EUと国際通貨基金(IMF)が財政危機に直面するギリシャに第3弾の融資を実施することが確実になった。欧州委員会とIMF、欧州中央銀行(ECB)が23日、ギリシャの財政再建が「概ね軌道に乗っている」と評価したため。ユーロ圏 […]

EUと国際通貨基金(IMF)が財政危機に直面するギリシャに第3弾の融資を実施することが確実になった。欧州委員会とIMF、欧州中央銀行(ECB)が23日、ギリシャの財政再建が「概ね軌道に乗っている」と評価したため。ユーロ圏財務相理事会、IMF の正式承認を経て、12月に90億ユーロの追加融資が実行される見通しだ。

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ギリシャは5月、ユーロ圏諸国とIMFから3年間で総額1,100億ユーロの緊急協調融資を受けることが決まった。ユーロ圏が800億ユーロ、IMFが300億ユーロを負担する。5月に第1弾の融資200億ユーロ、9月に第2弾の90億ユーロが実行された。

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残る融資の実施には、ギリシャ政府が約束した財政再建、赤字削減に向けた構造改革の進展状況をIMF、欧州委、ECBが定期的にチェックし、予定通り進んでいることが確認される必要がある。

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ギリシャは先ごろ、2009年の財政赤字が当初の国内総生産(GDP)比13.6%ではなく、同15.4%まで膨らんでいたことが判明。これにより財政再建計画に狂いが生じ、2010年の赤字は当初目標のGDP比8.1%を上回る同9.4%までしか削減できない見込み。2011年は目標のGDP比7.6%を下回る7.4%まで減らすとしている。

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14日から23日にかけてアテネで調査を行った欧州委員会、IMF、ECBの代表団は、2010年は赤字削減目標を達成できないものの、削減幅は当初計画を上回る6%に上ることを評価。第3弾の融資実行に問題はないと判断した。ただ、3月に予定されている第4弾融資の実行に向けて、医療支出の引き締めや脱税防止による税収増など一層の努力が必要と指摘した。

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