2010/11/29

産業・貿易

アフガン全航空会社の運航禁止、「危ない航空会社」のリスト見直しで

この記事の要約

欧州委員会は23日、アフガニスタンの全航空会社に対してEUへの乗り入れを禁止した。民間航空の監督システムに安全上の欠陥があるためという。EUは2006年3月から安全基準を満たしていない航空会社を「危ない航空会社」に指定し […]

欧州委員会は23日、アフガニスタンの全航空会社に対してEUへの乗り入れを禁止した。民間航空の監督システムに安全上の欠陥があるためという。EUは2006年3月から安全基準を満たしていない航空会社を「危ない航空会社」に指定して域内への乗り入れを制限しており、今回が16回目の見直しとなる。

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対象となるアフガニスタンの4社のうち国営のアリアナ・アフガン航空はすでに運航を禁止され、現在はトルコの航空会社から機材をリースして欧州に週2回の定期便を運航している。またカム・エアーもすでに乗り入れを制限されているが欧州への路線はない。ただし、新たに乗り入れを禁止されたサフィ航空は、独フランクフルトとアフガニスタンの間で週5便を運航しており、欧州から同国に向かう外交官やビジネスマンの重要な足となっている。このため同社は、EUから運航を禁止されていない国の航空会社から機材を時間単位で借り受けて運航を継続することを決めているが、これにより月に約50万ドルのコスト増になる。

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欧州委は国際民間航空機関(ICAO)と協力し、アフガニスタン当局による民間航空の監督体制の改善を支援する方針を示している。同国の運輸相によれば国際基準を満たす航空法が採択され、EUの航空安全委員会に対しても安全性を改善する行動計画を提出する予定という。

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このほか今回の見直しでは、モーリタニア航空およびキルギスタンとガボンのそれぞれ1社が運航を禁止された。一方、カザフスタンの9社の運航禁止を解除したほか、北朝鮮の高麗航空やガーナのエアリフト国際航空、イラン航空など5社については制限付きで運航を認めることになった。これにより運航を禁止されている航空会社は19カ国の276社となり、このうち全社の乗り入れが禁止されている国は15カ国となった。

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