2010/11/29

産業・貿易

「純粋なチョコ」表示はEU法違反、欧州司法裁が伊国内法を無効と判断

この記事の要約

欧州司法裁判所は25日、チョコレート製品に「純粋なチョコレート」という表示を認めるイタリアの国内法はEUのチョコレート表示のルールに違反するとして、国内法を無効とする判決を下した。\ EU内では、ベルギーやイタリアなどの […]

欧州司法裁判所は25日、チョコレート製品に「純粋なチョコレート」という表示を認めるイタリアの国内法はEUのチョコレート表示のルールに違反するとして、国内法を無効とする判決を下した。

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EU内では、ベルギーやイタリアなどのようにチョコレートにカカオバターだけを使う国と英国のように植物油脂を混ぜる国がある。チョコレートの表示をめぐる議論の末に1999年に施行した表示ルールでは、両者のバランスをとってカカオバターだけを用いているかどうかを明確に示せば、いずれもチョコレートと表示できるようにした。しかしイタリアが2003年に施行した国内法で、カカオバターだけを使ったチョコレートに「純粋な(ピュア)チョコレート」の表示を導入したため、欧州委はEUのルールに違反するとして提訴していた。

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欧州司法裁は今回、もし100%カカオバターで作られているなら、その事実を成分表示欄に示すにとどめる必要があり、植物油脂が含まれているならば「カカオバターに加えて植物油脂入り」と表示することが義務付けられると指摘。EUの表示ルールではイタリアの国内法が規定した「純粋なチョコレート」と示す余地はなく、規定に反すると断じた。

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この判決を受けて欧州委の報道官は、EU内にはチョコレートをめぐる異なる文化があることは認識しているものの、イタリアは統合市場の規則に従う義務があると強調した。

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