2010/12/13

産業・貿易

CEBSが銀行賞与規制の運用指針を発表、「低リスク行」には緩和措置も

この記事の要約

欧州銀行監督委員会(CEBS)は10日、EUが2011年1月から導入する銀行報酬規制の運用ルールに関する指針を発表した。10月にまとめた指針案をほぼ踏襲した内容で、現金で即時支給されるボーナス(賞与)の割合を最大30%に […]

欧州銀行監督委員会(CEBS)は10日、EUが2011年1月から導入する銀行報酬規制の運用ルールに関する指針を発表した。10月にまとめた指針案をほぼ踏襲した内容で、現金で即時支給されるボーナス(賞与)の割合を最大30%に制限することなどが柱。EU加盟国はCEBSの指針に沿って来年1月から金融機関の高額報酬を抑制するための新規制を実施する。

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CEBSは当初の指針案に対する各方面からの意見を踏まえて最終案をまとめた。焦点の1つだった固定賞与と変動賞与の比率に関しては、EU共通の上限を設ける案を見送り、各行の判断に委ねることとした。一方、域内で活動するすべての銀行に厳格な報酬規制を適用することへの反発が根強い点を踏まえ、事業戦略やリスク行動などの点で一定の条件を満たしている場合には、支払いの繰り延べ期間を短縮するなどの例外措置を認める規定を盛り込んだ。規制を一部免除するための条件や調整の中身は各国の金融監督機関が定める。

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EUは短期の業績に連動した高額報酬制度が銀行の過剰なリスク行動を助長し、金融危機が拡大する要因になったとの反省に立ち、過剰報酬を是正するための具体策として賞与支給に関する規制の導入を決めた。新ルールによると、EU域内で活動する銀行は月給を基に幹部行員やトレーダーなどに支払う賞与の上限を設定することが義務付けられる。各行は賞与の40%、高額賞与の場合は60%について、少なくとも3-5年間にわたり支払いを繰り延べることが求められ、この間に業績が悪化した場合は賞与を回収できる仕組みも導入される。さらに賞与の一部を将来の損失に備えた分担金と位置づけ、全体のうち少なくとも50%を自社株やその他の有価証券の形で支給することが義務付けられる。その結果、現金で即時支給される賞与の割合は通常の場合で全体の30%、高額賞与の場合は20%に抑えられることになる。

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