2010/12/13

産業・貿易

輸入木材に関する新規制が発効、13年3月から罰則ルール導入へ

この記事の要約

途上国などで違法に伐採された木材とそれらを原材料とする木材製品のEU市場への輸入・販売を禁止する新規則がこのほど発効した。違法な伐採を抑制して世界規模で森林破壊を防止し、生物多様性の維持を図るのが規制の狙い。加盟国はEU […]

途上国などで違法に伐採された木材とそれらを原材料とする木材製品のEU市場への輸入・販売を禁止する新規則がこのほど発効した。違法な伐採を抑制して世界規模で森林破壊を防止し、生物多様性の維持を図るのが規制の狙い。加盟国はEU規則に沿って違反業者への罰則など国内法を整備するよう求められており、2013年3月3日から新ルールが導入される。

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欧州委員会によると、EU域内に輸入される木材の約20%が違法伐採によるものとみられており、その取引額は年間約12億ユーロに上る。一方、世界各地で毎年1,300万ヘクタールの森林が破壊されているといわれ、世界全体の二酸化炭素(CO2)排出量の約20%が森林破壊に起因するとの試算がある。EUは途上国の森林破壊に歯止めをかけるため、木材生産国と協力して違法伐採された木材がEU市場に輸入されるのを阻止する取り組みを進めているが、世界的規模で温暖化対策を推進しながら持続可能な森林管理を実現するため、一段の規制強化に踏み切る。

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新規制ではEU市場に輸入される木材および木材製品の流通に関わるすべての業者が規制の対象となる。輸入業者は取り扱う木材が生産国の法律に従って合法的に栽培・伐採されたものであることを証明する認定書の取得が義務付けられる。また、輸入木材および木材製品の加工や販売などに携わる業者は取引に関する記録を保存し、流通経路を追跡できるようにする必要がある。一方、加盟国は違反行為による環境への影響や経済的な損害を考慮して罰則を整備する。なお、EUとの間で「森林法の施行・統治・貿易に関する行動計画(FLEGT)」に基づく協定を締結している第3国から輸入される木材および木材製品に関しては、合法的な伐採によるものとみなされる。

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