2011/1/10

環境・通信・その他

独ダイオキシン混入飼料の混乱拡大、蘭・英向け鶏卵も汚染の疑い

この記事の要約

ドイツで家畜飼料にダイオキシンが混入した問題で、6日までに汚染された疑いのある鶏卵が英国やオランダに輸出されたことが明らかになるなど、欧州で混乱が広がっている。ドイツでは7日までに北西部のニーダーザクセン州を中心に約4, […]

ドイツで家畜飼料にダイオキシンが混入した問題で、6日までに汚染された疑いのある鶏卵が英国やオランダに輸出されたことが明らかになるなど、欧州で混乱が広がっている。ドイツでは7日までに北西部のニーダーザクセン州を中心に約4,700カ所の農場が閉鎖され、警察当局は混入経路の解明に向け、問題となった飼料を生産したメーカーにダイオキシンの混入が疑われる原料を納入した業者に対する本格捜査に乗り出した。

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今回の問題は先月末、ニーダーザクセン州のメーカーが生産した飼料から基準値を超えるダイオキシンが検出されて発覚した。北部シュレスウィヒ・ホルシュタイン州の「ハーレス・ウント・イェンチュ」が納入した原料の工業用脂肪酸にダイオキシンが混入したのが原因とみられ、今月に入り、この飼料を使用していた養鶏場が出荷した卵からもEUが定めた基準のおよそ2倍の濃度のダイオキシンが検出された。地元メディアによると、同社が生産した約3,000トンの工業用脂肪酸にダイオキシンが混入した可能性があり、汚染の疑われる飼料はおよそ15万トンに達するという。

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ドイツ食料・農業・消費者保護省は7日、国内4,709カ所の養鶏場や養豚場を閉鎖したと発表した。このうち4,468カ所がニーダーザクセン州に集中しているが、閉鎖された農場がある州は全16州のうち8州に拡大した。

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一方、欧州委員会は6日、ダイオキシンに汚染された疑いのある卵がオランダに輸出され、マヨネーズや焼き菓子などに使用された後、それらの食品が英国に輸出されたことを明らかにした。汚染された卵を大量に食べない限り、健康に影響が及ぶ危険はないとされるが、欧州委は11、12日に専門家会議を開いて対応策を協議する方針を示している。

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