2011/1/24

環境・通信・その他

ブロードバンドへの公的支援急増、昨年は4倍増の18億ユーロ

この記事の要約

欧州委員会は20日、昨年のEU加盟国のブロードバンドに対する公的支援が総額18億ユーロを超えたと発表した。これは2020年までに欧州の全世帯が高速インターネットにアクセスすることを目指す一環として欧州委が承認している支援 […]

欧州委員会は20日、昨年のEU加盟国のブロードバンドに対する公的支援が総額18億ユーロを超えたと発表した。これは2020年までに欧州の全世帯が高速インターネットにアクセスすることを目指す一環として欧州委が承認している支援で、金額は2009年に比べると4倍に達している。

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欧州委は2009年9月にブロードバンドの公的支援についてガイドラインを設けた。都市と農村部のデジタル格差をなくすことを狙ったもので、公的支援がなければ投資が進まない農村部や遠隔地への支援が中心となる。欧州委が昨年1年間に承認した公的支援は20件に上り、スペインのカタルーニャ地方の光ファイバー網、フィンランドやイタリア、スウェーデン、ドイツの遠隔地への高速サービスの拡大などが対象となり、こうした支援によって民間からも最大で35億ユーロの投資があったという。

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域内では10メガビット/秒(Mbps)以上の高速ブロードバンドの普及率は約30%で30Mbps以上は5%にすぎない。欧州委は2020年までに全てのブロードバンドの速度を30Mbps以上とし、半分以上の世帯が100Mbpsを超えるブロードバンド網に接続することを目標に掲げている。

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なお各国政府の支援のほか、EUの2007~2013年の予算期間にEU構造基金から約23億ユーロがブロードバンドのインフラに投じられることになっているうえ、129億ユーロが情報社会サービスに、3億6,000万ユーロが農村開発基金を通じてブロードバンドに使われている。さらに欧州投資銀行(EIB)は2009年に23億ユーロをブロードバンドのインフラに投じている。

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