2011/2/21

環境・通信・その他

有料TVとのW杯放映独占契約は違法、欧州司法裁がFIFAの訴え退け

この記事の要約

欧州司法裁判所の一般裁判所は17日、サッカーのワールドカップ(W杯)と欧州選手権の試合を有料テレビで独占放映することをEU加盟各国は禁じることができるとの判断を示した。EU指令では社会的・文化的に大きな影響力を持つイベン […]

欧州司法裁判所の一般裁判所は17日、サッカーのワールドカップ(W杯)と欧州選手権の試合を有料テレビで独占放映することをEU加盟各国は禁じることができるとの判断を示した。EU指令では社会的・文化的に大きな影響力を持つイベントを加盟各国が指定し、無料テレビで放映することを義務付けることを認めており、英国とベルギーはW杯の全試合について、英国は欧州選手権の全試合についてもこれを適用している。世界サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)はこれを不服として訴えていた。

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FIFAとUEFAは、決勝戦など一部の試合を除けば大きな影響力を持つ重要なイベントとはいえないと主張していた。しかし一般裁判所は、「準決勝や決勝戦の進出チームは、それまでの試合を勝ち抜いた結果による」として、全試合がそれぞれに重要なイベントであり、どの試合がどの国にとって重要なのかを想定することはできず、加盟各国は全試合を特別の試合と指定することができると指摘した。

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EUでは指令により、加盟各国はサッカーのほか夏季・冬季のオリンピックや自転車レース、自動車レース、テニス選手権などを重要なイベントとして指定している。欧州委の報道官は一般裁判所の判断を歓迎し、これはオーストリアやフィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリアが指定しているスポーツ・イベントにも適用されると説明している。

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FIFAとUEFAは放映権販売を重要な収入源としており、昨年のワールドカップ南アフリカ大会でFIFAは放映権などメディア関連の権利で20億ドル以上を獲得し、UEFAが2008年の欧州選手権で得た20億4,000万ドルの半分以上は放映権の販売によるものだった。UEFAは判決に失望感を表明するとともに、判決内容を詳しく検討して欧州司法裁判所に上訴するかを決める考えを明らかにした、FIFAとUEFAは2カ月以内なら上訴することができる。

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