2011/2/28

産業・貿易

長距離バス乗客への補償ルールが可決、全公共交通機関で利用者の権利強化

この記事の要約

欧州議会は先ごろ開いた本会議で、長距離バスの事故、欠便などで損害を受けた乗客に対する補償を定めた法案を賛成多数で可決した。すでにEUでは航空旅客を対象とした同様の補償ルールがあり、船舶についても2012年末に同ルールが施 […]

欧州議会は先ごろ開いた本会議で、長距離バスの事故、欠便などで損害を受けた乗客に対する補償を定めた法案を賛成多数で可決した。すでにEUでは航空旅客を対象とした同様の補償ルールがあり、船舶についても2012年末に同ルールが施行されることになっている。今回の法案可決により、あらゆる長距離の公共交通機関で利用者の権利が強化されることになる。

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法案では旅程250キロの長距離バス便を対象に、事故により乗客が死亡、負傷した際に運営会社が支払う補償金について、加盟各国が国内法で22万ユーロ以上(乗客1人あたり)の水準に設定することを義務付ける。荷物の遺失・破損に対する補償額は1個に付き1,200ユーロが下限となる。

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このほか、◇事故で立ち往生した場合、最大2日分の宿泊費(1泊あたり80ユーロ)を提供◇乗車時間が3時間以上の便で、欠便または出発が1時間半以上遅れた場合、軽食や飲み物などを提供◇到着が予定より2時間以上遅れ、しかも運行会社が別便への振り替えを用意できない場合、乗客に運賃の50%を払い戻す――などが規定されている。

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新ルールは夏前に発効の予定。加盟国は発効から2年以内に新ルールに沿った国内法の改正を義務付けられる。

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