2011/4/4

競争法

マイクロソフトがグーグルに逆襲、EUに「支配的地位を乱用」と苦情

この記事の要約

米マイクロソフトは3月31日、米グーグルがインターネット検索市場における支配的地位を乱用しているとして、欧州委員会に苦情を申し立て、正式な調査を要請したことを明らかにした。マイクロソフトが競争法違反で競合企業を批判するの […]

米マイクロソフトは3月31日、米グーグルがインターネット検索市場における支配的地位を乱用しているとして、欧州委員会に苦情を申し立て、正式な調査を要請したことを明らかにした。マイクロソフトが競争法違反で競合企業を批判するのは初めて。同社はパソコン用基本ソフト(OS)とネット閲覧ソフトの抱き合わせ販売などをめぐり、10 年以上にわたって欧州委と対立関係にあったが、一転してライバルに逆襲した格好だ。

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検索市場におけるグーグルの商慣行をめぐっては、欧州に拠点を置く複数の中小検索エンジンの申し立てを受け、欧州委が昨年11月から競争法違反の調査を進めている。マイクロソフトのブラッド・スミス上級副社長(法務担当)はブログへの投稿で、欧州のネット検索市場ではグーグルが90%以上のシェアを占めており、「状況は米国より深刻だ」と指摘。ネット検索や検索連動型広告の分野で競争を不当に妨害し、欧州の消費者に多大な損害を与えているグーグルの「行動パターン」に対して異議を申し立てるべきだと判断したと説明している。ブラッド氏は競争阻害の具体例として、グーグルが傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」にコンテンツを「囲い込んで」いるため、マイクロソフトの検索サイト「ビング」などでは検索結果が表示されず、ユーザーが不利益を受けていると指摘。こうした商慣行は市場支配的地位の乱用にあたり、競争法に違反するとの考えを示した。

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今回の動きに対し、グーグルの広報担当は「すでにマイクロソフトの子会社が欧州委に同様の申し立てを行っており、特に驚いてはいない。引き続き欧州委と問題点について協議を続ける」とコメント。一方、欧州委のトレス報道官は「マイクロソフトからの申し立てに注目している。通常の手続きに沿ってグーグルに通知を行い、同社の見解を求める」と述べるにとどめた。

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