2011/4/4

環境・通信・その他

軽商用車のCO2排出規制、14年からの段階導入が正式決定

この記事の要約

EU加盟国は3月31日開いた運輸相理事会で、軽商用車の二酸化炭素(CO2)排出量を制限する規則案を採択した。EU域内で販売される新車を対象に、CO2排出量を2017年までに平均14%、20年までに27%削減することを義務 […]

EU加盟国は3月31日開いた運輸相理事会で、軽商用車の二酸化炭素(CO2)排出量を制限する規則案を採択した。EU域内で販売される新車を対象に、CO2排出量を2017年までに平均14%、20年までに27%削減することを義務付け、違反したメーカーに制裁金を科すという内容。欧州議会は2月の本会議で同法案を賛成多数で可決しており、2014年からの段階的導入が確定した。

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規制の対象となるのは車両総重量3.5トン以下のバンなどで、重量別に排出上限が設定される。各メーカーは14-17年の間に走行1キロメートル当たりのCO2排出量を現在の平均203グラムから175グラム、20年までに147グラムに削減しなければならない。14年は域内で販売される新車の70%、15年は75%、16年は80%に規制が適用され、17年以降は全車両が対象となる。削減目標を達成できなかったメーカーは、超過1グラムにつき1台当たり最大95ユーロの制裁金が科される。

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欧州委は09年10月、14年から段階的に規制を導入して16年以降はすべてのモデルに走行1キロメートル当たりのCO2排出量を175グラムに制限するルールを適用し、20年以降は排出基準を135グラムに引き下げる規制案を打ち出した。しかし、コスト面の懸念からメーカー側が強く反発し、自国メーカーの競争力低下を避けたいドイツなどがこれを援護。最終的に第1段階の規制の全面的な導入時期を1年先送りすると共に、20年までの削減目標を147グラムに緩和する内容となった。

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EUでは12年から段階的に乗用車に対するCO2排出規制が導入されることになっている。さらに欧州委は軽商用車に続き、車両総重量12トン以下の小型バスや中型トラックについても排出規制の検討を進めており、14年までに新たな法案が提示される見通しとなっている。

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