2011/4/18

総合 –EUウオッチャー

対リビア追加制裁措置を決定、石油・ガスを事実上禁輸に

この記事の要約

EUは12日に開いた外相理事会で、リビアに対する追加制裁措置を決めた。カダフィ政権の資金源になっているとされるエネルギー関連企業26社を制裁対象に加え、域内の資産を凍結する。すでにリビア国営石油会社(NOC)と関連会社の […]

EUは12日に開いた外相理事会で、リビアに対する追加制裁措置を決めた。カダフィ政権の資金源になっているとされるエネルギー関連企業26社を制裁対象に加え、域内の資産を凍結する。すでにリビア国営石油会社(NOC)と関連会社の資産は凍結されており、ヴェスターヴェレ独外相によれば「事実上の石油・ガスの禁輸措置」という。

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リビアでは紛争前には日量169万バレルの原油を生産して149万バレルを輸出。輸出先の85%は欧州だった。EUはこれまでに武器や関連機器の禁輸、カダフィ大佐と一族、関係者などの資産凍結とEU渡航ビザの発給禁止を発動し、リビアの政府系ファンドであるリビア投資庁のほかリビア中央銀行、リビア・アフリカ投資ポートフォリオ、リビア外国銀行などの資産も凍結の対象としている。EUは今後さらに制裁を強化していく可能性を示している。

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またEUは、リビアのチュニジア国境とエジプト国境の難民キャンプに対して食料品などを供給するため軍隊による人道支援活動を開始する可能性もあり、支援活動をカダフィ政府軍の包囲を受けているリビア西部ミスラタへの供給路確保にも利用することを計画している。ただしこの支援活動については国連人道問題調整事務所(UNOCHA)による正式要請が必要となる。

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なおEUは14日、カダフィ政権から3月末に英国に亡命したムサ・クサ前リビア外相に対する資産凍結とEU内の渡航ビザ発給禁止の制裁を解除した。英国政府が外相理事会で提案していたもの。すでに米国政府は同氏に対する制裁を解除している。

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