2011/5/9

産業・貿易

EUと韓国のFTAが発効へ、韓国の批准手続き完了

この記事の要約

韓国の国会は4日、EUとの自由貿易協定(FTA)批准同意案を賛成多数で可決した。EUは2月に批准手続きを終えており、FTAは7月1日に発効する。\ FTAは昨年10月に正式署名したもの。発効から5年間で約98%の関税が撤 […]

韓国の国会は4日、EUとの自由貿易協定(FTA)批准同意案を賛成多数で可決した。EUは2月に批准手続きを終えており、FTAは7月1日に発効する。

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FTAは昨年10月に正式署名したもの。発効から5年間で約98%の関税が撤廃され、工業製品や農産物、サービスに対するその他の通商障壁も取り除かれる。自動車の場合、欧州製自動車の韓国への輸出では現行8%の関税がなくなり、韓国市場向けの試験も不要となり、将来的な障壁を回避するための作業部会も設けられる。家電製品でも二重に試験・認証手続きをする必要がなくなる。

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韓国にとってEUは中国に次ぐ輸出先。EUと韓国の昨年の貿易額は922億米ドルで、前年から17%増加した。韓国外交通商部は、FTAの発効が決まったことを受けて発表した声明で、FTAは東日本大震災や中東・北アフリカの政情不安、ウォン高の進行といった課題を乗り越える大きな助けとなると指摘。「韓国企業の対外貿易環境が改善されると期待している」とコメントした。一方、欧州委員会のデフフト委員(通商担当)は、FTAは経済成長と雇用創出につながるとしたうえで、「画期的な協定であり、EUが他の主要貿易相手国と同様の協定を結ぶ際の基準となるものだ」と意義を強調した。

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FTAによって、欧州への韓国製の自動車やテレビなどの輸出が増えることは確実で、欧州市場でし烈な競争を繰り広げている日本メーカーにとっては大きな打撃となる。なお、韓国はアメリカともFTAで合意しており、議会の批准手続きを残すのみとなっている。

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