2011/5/9

環境・通信・その他

ICT分野の研究支援プログラム「FET」、欧州委が最終候補6件を発表

この記事の要約

欧州委員会は4日、情報・通信技術(ICT)分野の先進的な研究を支援するための「未来・先進技術(FET)」イニシアチブについて、援助対象の選考で最終審査に残った6件のプロジェクトを発表した。各研究グループはEUから提供され […]

欧州委員会は4日、情報・通信技術(ICT)分野の先進的な研究を支援するための「未来・先進技術(FET)」イニシアチブについて、援助対象の選考で最終審査に残った6件のプロジェクトを発表した。各研究グループはEUから提供される150万ユーロの資金を活用して開発計画の詳細を詰め、専門委員会が1年後をめどに2件のプロジェクトを選定。向こう10年間にそれぞれ10億ユーロの資金提供を行う。

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FETは1989年にスタートしたEUの研究支援プログラム。ICT分野の技術開発と生物学、脳科学、経済学など異なる分野の研究を融合させて、まったく新しい未知の領域でイノベーションを促進することを最大の目的としている。EUは「第7次研究枠組計画(FP7)」の一環として、10-13年に総額5億ユーロをFETプログラムに投じる方針を打ち出している。

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欧州委が昨年、域内で活動する研究者に広くイニシアチブへの参加を呼びかけたところ、欧州各国のさまざまな研究機関や大学などから21件の応募があり、各分野の専門家で構成する審査委員会が科学技術の飛躍的な進歩を実現できる可能が高く、欧州社会と産業界が直面する課題を乗り越えるうえで最もインパクトの大きい6件のプロジェクトを最終候補に選定した。この中には環境中のエネルギーを感知して駆動する超小型デバイスの開発プロジェクト「ガーディアン・エンジェル」、対人サービス用ロボットの開発計画「市民のためのロボットコンパニオン」、最先端のICT技術を自然災害などの危機管理システムに応用するための「未来に向けたICT知識の促進と危機管理システム」などが含まれている。

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