2011/6/6

産業・貿易

日本と初の共同プロジェクト、次世代太陽電池を開発

この記事の要約

EUは5月31日、日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で次世代太陽電池の技術開発を行うと発表した。世界最高水準となるセル変換効率45%以上の集光型太陽電池の開発を目的に、日本とEU5カ国が2014年 […]

EUは5月31日、日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で次世代太陽電池の技術開発を行うと発表した。世界最高水準となるセル変換効率45%以上の集光型太陽電池の開発を目的に、日本とEU5カ国が2014年までの4年間にわたり合同で研究を進める。その後、2030年以降をメドに50キロワットのシステムの実用化を目指す計画だ。

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プロジェクトは、気候変動問題への対応とエネルギー安全保障の確保を目的としたもの。双方はまず、それぞれ産官学の研究チームを設置し、新材料や新構造、およびセル・モジュールの開発、集光型太陽電池の測定技術の標準化を進める。日本からは豊田工業大学、シャープ、大同特殊鋼、東京大学、独立法人の産業技術総合研究所などが参加。EUからはマドリッド工科大学、フラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所(独)、インペリアルカレッジロンドン(英)、イタリア新技術・エネルギー・環境庁(伊)、BSQソーラー(西)、PSE(独)、CEA太陽エネルギー研究所(仏)が参加する。予算規模は日本側が6.5億円、EU側が500万ユーロ(約6億円)となる。

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セル変換効率とは、太陽光パネルを構成する最小単位(セル)1枚に当たった太陽光が、どれだけ電気に変換されるかを数値化したもの。日本はすでに研究レベルで40%以上の変換効率を達成しているが、さらなる効率化と実用化には、より多くの研究機関等の協力が必要と判断した。

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