2011/6/6

産業・貿易

域内銀行ストレステスト、結果公表が7月にずれ込み

この記事の要約

EUが実施する域内銀行のストレステスト(健全性審査)の結果公表が、対象銀行が提出した情報に不備があるため、予定より遅れる見通しだ。テストを主管する欧州銀行監督機構(EBA)の幹部が1日、明らかにした。\ 同幹部が匿名を条 […]

EUが実施する域内銀行のストレステスト(健全性審査)の結果公表が、対象銀行が提出した情報に不備があるため、予定より遅れる見通しだ。テストを主管する欧州銀行監督機構(EBA)の幹部が1日、明らかにした。

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同幹部が匿名を条件に英フィナンシャル・タイムズなどに明らかにしたところによると、EBAは一部の銀行が提出した情報にテストの基準に反したデータ集計や精密さに欠ける想定に基づく報告があったことから、当該銀行に情報の再提出を指示。このため予定していた6月中の結果公表は困難となり、7月にずれ込む見込みという。

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EUが信用不安対策の一環として、域内91銀行を対象として昨年7月に実施した1回目のストレステストでは、「不合格」となった銀行は7行にとどまった。ところが、合格と判定されたアイルランドの銀行が資本不足に陥り、同国が「ユーロ防衛基金」から緊急融資を受ける事態に追い込まれたことから、査定の甘さが指摘され、今年のテストでは基準が厳格化される。

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90行を対象とする今回のテストでは、2011年にユーロ圏が0.5%のマイナス成長となり、欧州の株式相場が15%下落したシナリオを想定。さらに欧州各国のソブリン債の利回りが0.75%上昇し、銀行間取引市場の短期金利が1.25ポイント上昇することも想定し、こうした状況下でも狭義の中核的自己資本(コアTier1)を5%以上に維持できるかどうかを合格基準とする。

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