2011/6/20

産業・貿易

電磁波による健康被害防止、欧州委が指令改正を提案

この記事の要約

欧州委員会は14日、職場で日常的に電磁波にさらされる労働者の健康と安全を保護するためのルールの改正を提案した。電磁波曝露の可能性が高い産業分野について、最新の科学的知見に基づき新たな曝露基準を導入するとともに、電磁波によ […]

欧州委員会は14日、職場で日常的に電磁波にさらされる労働者の健康と安全を保護するためのルールの改正を提案した。電磁波曝露の可能性が高い産業分野について、最新の科学的知見に基づき新たな曝露基準を導入するとともに、電磁波による健康被害を防止するため雇用者がとるべき対策について詳細な規定を設けることなどが盛り込まれている。

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これまでの科学的調査から、長時間にわたり電磁波にさらされることにより、神経障害、がん、白血病などさまざまな健康障害を誘発されることが分かっている。

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現行指令では電磁波による健康障害を防ぐため、電力、製鉄、防衛、医療など電磁波にさらされる機会が多い分野の企業に、電磁波の曝露基準を設けるとともに、さまざまな角度からのリスク評価と有効な対策の実施を義務付けている。改正案では、医療現場でMRI(磁気共鳴診断装置)を取り扱う際の曝露基準を見直すことや、雇用者が対策に取り組みやすくなるようリスク評価やとるべき措置についてより詳細で具体的な規定を設けられている。また、ペースメーカーを装着している人や妊婦など、特に電磁波の影響が大きいと考えられる労働者に対し、特別策を講じることも義務付けている。

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改正案は欧州議会と閣僚理事会の承認を経て発効する。

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