2011/6/20

環境・通信・その他

大腸菌被害の野菜農家、EUが2億ユーロ補償

この記事の要約

欧州委員会は14日、腸管出血性大腸菌O104の感染拡大の影響で損失を被ったEU域内の野菜農家に対し、2億1,000万ユーロの補償を行うことを正式決定した。\ 補償対象となるのは5月26日以降に自主回収や出荷停止の措置が取 […]

欧州委員会は14日、腸管出血性大腸菌O104の感染拡大の影響で損失を被ったEU域内の野菜農家に対し、2億1,000万ユーロの補償を行うことを正式決定した。

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補償対象となるのは5月26日以降に自主回収や出荷停止の措置が取られたキュウリ、トマト、レタス、ズッキーニ、ピーマンの5種の野菜を生産する域内の農家。6月末までの損失に対し、同期間の生産者価格の50%までを補償する。ただし、生産者団体に加盟する農家は最大70%の補償を受けられる可能性がある。また、7月以降も消費の落ち込みが続けば、補償額について再検討する方針だ。欧州委のチオロシュ委員(農業担当)は同日、早ければ7月から支給を開始できるとの見通しを示した。

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今月10日に感染源がドイツ北西部ニーダーザクセン州のビーネンビュッテルにある有機農場で栽培されたモヤシと特定されたことを受け、上記5種類の野菜の購入を控えるようにとの警告はすでに解除されている。

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一方、O104への感染による死者数は、15日までに37人に達した。感染者数は、欧米14カ国で合計3,235人に上っている。ドイツの国立ロベルト・コッホ研究所によると、感染者の76%は同国の北部4州の居住者。14日にはニーダーザクセン州のツェレで、初めて子供(2才)の死者が出た。今回、感染が拡大した大腸菌は新型の可能性も指摘されており、成人女性に感染者が多いのが特徴だ。保健当局は引き続き、感染源のモヤシがどのようにして汚染されたかを調査している。

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