2011/7/4

産業・貿易

EUの銀行健全性審査、最大15行が「不合格」に

この記事の要約

EUが域内の90銀行を対象に実施するストレステスト(健全性審査)で、「不合格」となる銀行が昨年のテストを上回る最大15行に上る見通しだ。消息筋が6月28日、ロイター通信に明らかにした。\ 同筋によると、テストを主管する欧 […]

EUが域内の90銀行を対象に実施するストレステスト(健全性審査)で、「不合格」となる銀行が昨年のテストを上回る最大15行に上る見通しだ。消息筋が6月28日、ロイター通信に明らかにした。

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同筋によると、テストを主管する欧州銀行監督機構(EBA)は10~15銀行が基準を満たしていないと認定する見込み。深刻な信用不安に直面するギリシャ、ポルトガル、スペインのほかドイツの銀行が「不合格組」に含まれるという。

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EUが信用不安対策の一環として、91銀行を対象として昨年7月に実施した1回目のストレステストでは、「不合格」となった銀行は7行にとどまった。ところが、合格と判定されたアイルランドの銀行が資本不足に陥り、同国がEU、国際通貨基金(IMF)から緊急融資を受ける事態に追い込まれたことから、テストの信用性が揺らいでいた。このため、今回の検査では合格基準が前回より厳しくなっている。

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別の筋がロイター通信に語ったところによると、EBAはテストの信頼性を強調する一方で、あまりにも多くの銀行を不合格とすると金融市場の動揺を招くため、不合格は10数行程度が適正水準とみなしているという。EBAは同報道内容についてコメントを控えている。

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審査結果は当初、6月中に公表される予定だったが、対象銀行が提出した情報に不備があるため7月に先送りされた。

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