欧州委員会は4日、化学大手のチバ(スイス)、英米系エレメンティスに対して2009年に下したカルテルでの制裁金支払い命令を撤回すると発表した。カルテルの時効成立が確認されたため。これによりチバは6,840万ユーロ、エレメンティスは3,257万ユーロの制裁金支払いを免除される。
\欧州委は09年11月、プラスチック製品の製造に使われる熱安定剤で欧米の11社が価格カルテルを結んでいたとして、うち10社に総額1億7,300万ユーロの制裁金支払いを命じた。チバ(現在は独BASFの傘下)、エレメンティスのほか、オランダのアクゾノーベル、仏アルケマなどが対象となった。
\同カルテルは1987年から2000年にかけて行われたが、チバとエレメンティスは制裁命令の11年前の1998年に脱退していた。このため、欧州委は10年の時効が成立したとして、2社への制裁命令を撤回した。
\欧州司法裁判所は3月、カルテルは10年で時効が成立するとの判決を下していた。
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