2011/7/11

環境・通信・その他

空港への全身スキャナー設置、欧州議会が条件付きで導入認める決議

この記事の要約

欧州議会は6日の本会議で、EU域内の空港への全身スキャナーの設置を条件付きで認める決議案を採択した。乗客の健康、尊厳、プライバシーの保護を条件に、加盟国にスキャナーの導入を認めるという内容。欧州委員会は近く、EU全体で全 […]

欧州議会は6日の本会議で、EU域内の空港への全身スキャナーの設置を条件付きで認める決議案を採択した。乗客の健康、尊厳、プライバシーの保護を条件に、加盟国にスキャナーの導入を認めるという内容。欧州委員会は近く、EU全体で全身スキャナーの導入を進める方針を打ち出す見通しだが、欧州議会はそれに先立ち、乗客の権利保護を重視する姿勢を明確にすべきだと判断した。

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EU内ではテロ対策の一環としてすでに全身スキャナーを導入している国もあるが、プライバシー保護などの観点から衣服の下を透視できるスキャナーの設置に慎重な国もあり、加盟国の対応にばらつきがある。決議案によると、乗客は全身スキャナーによる透視を拒否する権利が保障され、全身ボディー検査など別の方法で検査を受けることができる。また、スキャンされたデータは棒線画のみで表示され、画像データは保存せずに検査修了と同時に破棄される。さらに人体に影響を及ぼす電離放射能を放出するスキャナーの使用は禁止される。一方、保安検査の効率化を図るため、チェックポイントを増やして検査官を増員することを加盟国に求めている。

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欧州議会はこのほか航空貨物、とりわけEU域外からの旅客便に搭載された貨物に対する検査体制を強化するため、欧州委にスキャン検査を実施する際の統一基準を策定するよう求めている。

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