2011/7/11

環境・通信・その他

O104拡大、感染源はエジプト産の豆か

この記事の要約

欧州食品安全庁(EFSA)は5日、欧州で今年5月から感染が拡大している腸管出血性大腸菌O104の感染源について、エジプト産のマメ科の植物、「フェヌグリーク(コロハ)」の種子である可能性が高いとして、今年10月末までEU域 […]

欧州食品安全庁(EFSA)は5日、欧州で今年5月から感染が拡大している腸管出血性大腸菌O104の感染源について、エジプト産のマメ科の植物、「フェヌグリーク(コロハ)」の種子である可能性が高いとして、今年10月末までEU域内への輸入を禁止すると発表した。コロハのほか、同国産の大豆など乾燥豆類、油糧種子なども一時的に輸入が禁止される。

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EFSAによると、ドイツの輸入業者がエジプトから輸入したフェヌグリークの種子(コロハ)が感染源である可能性が高いものの、感染経路はまだ解明されていない。エジプト国内で、種の段階で汚染されていたとしても、付着した菌は何年間も生き続ける場合があることから、2009年以降に域内に輸入されたものはすべて、市場から回収して検査を実施し、その後に廃棄処分する方針だ。

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EFSAはこれらの豆類について、発芽させないように、また野菜として手元にある場合は生で食べないように警告している。一方、エジプト農業省はEFSAの発表を受け、コロハの輸出先は感染者の出たドイツやフランスではなく、オランダだと主張。EFSAの調査結果を全面的に否定している。

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EFSAによると、EUが発芽野菜の原料などとして輸入する種子は大半がインド産か中国産となっている。エジプトからは2010年、今回規制の対象となった豆類を約49,000トン(5,600万ユーロ相当)輸入していた。

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なお、豆類のコロハはクローバー型の葉を持つ植物で、モヤシのように発芽させ、新芽野菜の「フェヌグリーク」として消費されるほか、種子がスパイスとしてカレーの材料などに使われ、葉の部分はハーブの「メティ」として利用されている。

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