2011/7/25

総合 –EUウオッチャー

スペインがルーマニア人への就労制限復活、雇用状況悪化で

この記事の要約

スペイン政府は22日、ルーマニア人労働者に対する就労制限を復活させると発表した。国内の雇用状況が急速に悪化しているためで、今後スペインで働くことを希望する人に事前の労働許可証取得を義務付け、労働者の流入を制限する。\ E […]

スペイン政府は22日、ルーマニア人労働者に対する就労制限を復活させると発表した。国内の雇用状況が急速に悪化しているためで、今後スペインで働くことを希望する人に事前の労働許可証取得を義務付け、労働者の流入を制限する。

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EUでは原則的に、加盟国が相互に労働市場を開放し、各国の労働者が国境を越えて自由に移動できることになっている。しかし中東欧諸国に関しては、安価な労働力が西欧に大量流入し、雇用に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、従来から加盟していた西欧15カ国には7年を上限に就労を制限する権利が認められている。2007年1月に加盟したルーマニア、ブルガリアに対しては2013年12月末まで、労働市場開放を見送ることができる。

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スペインは09年1月にルーマニアとブルガリアに労働市場を開放した。これに伴ってルーマニアからは、同じラテン語圏に属し、言葉の問題が小さいスペインに多くの労働者が流入し、現在は80万人以上が働いている。

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しかし、スペインでは住宅バブルの崩壊などで経済が悪化し、失業率は労働市場開放時から8ポイント近く上昇して21.3%に達している。このため政府は、スペイン人の雇用を守るためルーマニア人への就労制限復活を決めた。

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