2011/7/25

産業・貿易

EUで20日から玩具規制強化、有害物質使用など禁止に

この記事の要約

EU域内で販売される玩具の規制を強化する指令が20日付で発効した。健康に害を及ぼす危険性の高い化学物質の使用禁止などを盛り込んだもので、中国製玩具も含めて厳格なルールを導入し、品質管理と安全性の向上を図る。\ 新ルールで […]

EU域内で販売される玩具の規制を強化する指令が20日付で発効した。健康に害を及ぼす危険性の高い化学物質の使用禁止などを盛り込んだもので、中国製玩具も含めて厳格なルールを導入し、品質管理と安全性の向上を図る。

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新ルールでは、プラスチックの可塑剤として使われるフタル酸エステルや、難燃剤といった有害化学物質を用いた製品の製造、販売、輸入が禁止される。また、子どもが小さな玩具や玩具のパーツを飲み込んで窒息する事故を防ぐため、菓子などの食品と玩具がセットになった商品は、それぞれ個別に包装したうえで、中に玩具が入っていることをパッケージに明記することがメーカーに義務付けられる。またおもちゃの宝石が埋め込まれたケーキのように、先に菓子などを食べないと玩具に到達できない構造の商品は販売が禁止される。さらに事故防止に向け、メーカーは玩具本体やパッケージの目立つ場所にわかりやすい表現で警告を表示することが義務付けられる。

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EUではドイツ、フランス、イタリアを中心に年間50億ユーロ相当の玩具を製造しており、世界シェアの約25%を占める。このほか、69億ユーロ相当の玩具を域外から輸入。その8割が中国製品となっている。

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EUは2008年、基準値を超える鉛など有害物質を含んだ中国製の幼児向け玩具が相次いで見つかったことをきっかけに、1998年に導入した規制を強化する指令案を欧州委員会が発表。08年末に欧州議会で指令案が採択された。

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加盟国は指令発効に伴い、国内で製造される玩具の安全性確保に向けた監視強化や、輸入品の検査体制強化を求められる。

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