2011/9/5

総合 –EUウオッチャー

ECBの国債買い入れ、前週は減少

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は8月29 日、前週に総額66億6,100万ユーロのユーロ圏国債を流通市場で買い入れたことを明らかにした。ECBによる介入再開で金融市場の動揺が収まりつつあることから、買い入れ額は前々週の143億ユ […]

欧州中央銀行(ECB)は8月29 日、前週に総額66億6,100万ユーロのユーロ圏国債を流通市場で買い入れたことを明らかにした。ECBによる介入再開で金融市場の動揺が収まりつつあることから、買い入れ額は前々週の143億ユーロを大幅に下回る規模にとどめた。

\

ECBは今月初め、ギリシャに端を発した財政危機がイタリア、スペインに波及し、信用不安が拡大して両国の国債利回りがユーロ導入後の最高水準に達したことから、3月から停止していた財政悪化国の国債を流通市場で買い入れる措置を再開。両国の国債を買い支えている。これによって一時6%を超えていた両国の国債利回りは5%近くまで低下した。

\

ユーロ圏17カ国は7月の緊急首脳会議で、「欧州金融安定基金(EFSF)」の機能を強化し、EFSFが危機に陥った国の国債を流通市場で買い取ることができるようにすることで合意した。しかし、同措置には各国の議会による承認が必要で、実施は秋以降となる見通し。

\

ECBは異例の国債買い取りをできるかぎり早く打ち切り、EFSFに引き継ぎたい考えだ。

\