2011/9/5

環境・通信・その他

ATMなどの利便性向上、EU予算で実証試験実施へ

この記事の要約

欧州委員会は8月30日、ATM(現金自動預払機)や自動券売機をはじめとするセルフサービス端末のアクセシビリティ向上を目的とするEUのプロジェクト「APSIS4all」に341万ユーロを投じ、今秋からスペインとドイツで2件 […]

欧州委員会は8月30日、ATM(現金自動預払機)や自動券売機をはじめとするセルフサービス端末のアクセシビリティ向上を目的とするEUのプロジェクト「APSIS4all」に341万ユーロを投じ、今秋からスペインとドイツで2件の実証試験を開始すると発表した。高齢者や身体障害者などハンディを持つ人がATM、公共交通機関の自動券売機、情報キオスク端末などを利用しやすくするため、近距離無線通信などの先端技術を活用して標準化されたプラットフォームの構築を推進する。

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欧州委によると、域内で稼働しているATMのうち視覚障害者向けの音声ガイダンスを備えている装置は全体の38%にとどまり、カナダ(ほぼ100%)や米国(61%)に比べて対応の遅れが目立つ。APSIS4all(Accessible personalised services in public digital terminals for allの略)はさまざまなハンディを持つ人が公共サービスや多様な情報にアクセスしやすくするためのプロジェクトで、たとえばATMや券売機などに非接触ICカードをかざすと自動的に画面の文字が拡大したり、使用言語が切り替わるなど、個々の利用者に合わせたサービスを提供できるようにすることを目指している。

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計画によると、まず9月1日からバルセロナで大手銀行ラ・カイシャのATM 65台を使って実証試験を開始。さらに来年1月1日からは独西部のパーダーボルンでヘフト&ヴェッセルが運用する自動券売機 24台を使って第2弾を実施する。実証試験期間は3年で、収集した情報は利用者が使いやすいユーザーインターフェースを最適化するための研究に活用される。

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