2011/9/19

総合 –EUウオッチャー

日米欧5中銀がドル資金供給で協調、欧州債務危機に対応

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行、スイス国立銀行、日本銀行は15日、米連邦準備制度理事会(FRB)と協調して、各国の金融機関に年越しのドル資金を供給するオペを実施すると発表した。欧州の債務危機を受けて、金融市場で […]

欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行、スイス国立銀行、日本銀行は15日、米連邦準備制度理事会(FRB)と協調して、各国の金融機関に年越しのドル資金を供給するオペを実施すると発表した。欧州の債務危機を受けて、金融市場では銀行の資金繰り不安が取りざたされており、特にドル調達への懸念が高まっている。日米欧の中銀が連携して資金供給に乗り出すことで、資金需要が高まる年末に市場が機能不全に陥る事態を回避し、金融システムの安定化を図る。

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日米欧の主要中銀はリーマンショック直後の2008年9月と、ギリシャの財政危機に対する懸念が高まり、ユーロ安から世界同時株安に発展した昨年5月に金融市場への大規模なドル資金供給を実施している。今回の枠組みに参加する各中銀は10月以降、年末を越す期間3カ月のドル資金を固定金利で無制限に供給する。ECBなど欧州の3中銀によるドル資金供給は、これまで期間1週間物に限定されていたが、より長い期間の資金供給オペを実施することで年末の資金需要に対応する。ECBは10月12日に1回目の入札を実施し(満期は2012年1月5日)、11月9日と12月7日にも同様に年末越えのドル資金供給を実施する。

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ギリシャの債務問題が深刻化するなか、市場では同国の国債を大量に保有するフランスの主要銀行や、中・東欧諸国の金融機関などの資金繰り懸念が高まっている。ECBのトリシェ総裁は、日米欧の主要中銀は「これまで以上に金融システムに安定と信頼をもたらす指標となっている」と強調。ドル資金供給に関する国際協調の決定は「世界レベルでの緊密な連携と、目標達成に向けた結束の表れだ」と指摘した。

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